人生リベンジ倶楽部

負債30億から復活した「失敗社長」による人生相談サービス

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人生リベンジ対談

第1回(後編)うるの 拓也さん / マンガ家

マンガ家のうるの拓也さんと今瀬ヤスオの対談の後篇です。「夫婦の理想的な関係について」「やりたいことが分からない若者へのメッセージ」をお届けします。

どん底でも体裁を気にしないパートナーから身をもって教えられた(今瀬)
ピンチの時にブルーにならない、なんとかなるわよ!と楽天的な妻に救われる(うるの)

今瀬パートナー(妻)についてはこれまでどん底を一緒に味わっているわけですが、彼女に悲惨な感じはないですね。結局、彼女にとっても大切なのは生き方そのものなんです。忘れられない思い出の中に私が融資のお願いで東京を奔走している間、都内の一流百貨店で私を待ちながら子供をおぶってね、ねんねこ半纏を着て嬉々として歩きまわっている妻の姿なんです。

お金が無いとか、家が無いとか、私は屈辱感でいっぱいだったのですが、彼女はそうじゃないんです。身形も体裁も気にしない。それが私にいい影響を与えてくれた。そして、一番大きかったのは、しがらみで苦労するならスッパリ切ってしまったほうがいいという彼女の姿勢ですね。実に潔い。冷たいのではなく、自分の中で他に頼らない、頼られない。そういう形で生きていくことが出来るだということをパートナーから身をもって教えられて、(負債を抱えた)会社を整理することに踏み切れた気がします。

うるのマンガの中に社長の奥様を登場させているのですが、僕は実は直接お会いしたことがないんです。でもこんな社長を支えたのはこうい方だろう、というイメージを持って描かせていただきました。そのイメージはご本人とそうギャップはないのではないかな(笑)

うちの奥さんもすごくアクティブで跳びまわっているタイプで楽天的。僕がどうしよう…て落ち込んでも「大丈夫、なんとかなるわよ」と、ピンチの時にブルーにならないんですね。どん底でも僕の背中をどんと押してくれる、そうなると、もうやるしかない訳ですよ。僕達夫婦も順風満帆では無かった訳ですが、彼女の強さには敬服しています。他の人が辛いから出来ません、と言うようなことでもさらりと乗り越えてしまう。

今瀬うるのさんも私の場合もパートナーがクールでさっぱりしているのが共通していますね。相手に依存せず、基本は他人同士、いつでも別れられると。でも裏返せば夫婦なんて違って当たり前、ということがあるから、今はとても楽になりましたね。

うるのうちも最初から部屋は別々ですしね(笑)なにもか一緒、というのではなくて、夫婦になってもお互いの部屋を訪ね合うような恋人同士のような感覚を持っていたいんです。僕が一番格好つけたいのはほかでもないうちの奥さん(笑)

今瀬やはりパートナーとは一定の距離間は必要ですね。気持ちは一心同体でも別々、という感覚はあったほうがいい。倒産後、苦しい時代があった時に私は夜遅くに帰宅して溜息をついたりして、ケンカになったりね。男はプライドがあるから首の皮一枚のところになっても女房には格好つけたいから素直になれない。

うるの法的に夫婦かもしれないけど、僕はやっぱり恋人同士のような感覚がベストです。うちは一緒に仕事をしていますが、仕事場も夫婦別なんですよ。それぞれがプライベートを持っていて、お互いに見えない部分にドキドキしたりするのが楽しいんですよ。

やりたいことがない人は見つかるまでとりあえず生きればいい(うるの)
入口は何でもよくて、いったんそこに身を置いてみて見つめ直してみるのも必要(今瀬)

うるのこれはリベンジがテーマの対談だけど、僕にとっては「リベンジ」という感覚はあまりないんですよ。体験してきた数々の失敗はネガティブや世間に対しての復讐ではないんです。やりたいことがない、という人には見つかるまで生きていればいいんじゃない、と。バイトしたり他の仕事をしながら気長に見つければいい。行く道が見つからないことを焦る必要はないと思いますよ。例えばマンガ家になりたい、と思っていてなかなかなれなくてもサラリーマンをしながらマンガを描き続けていればどこかで日の目の見る可能性がある。当たらなくても描きたいなら描けばいいんじゃないかと思うんです。とにかく頑張らなくていいから、好きなことをやりながら生きればいい。

僕はローカルヒーローのイバライガーを応援しているのだけど、彼は環境破壊されて崩壊した未来からやってくるという設定なんですが、僕が考える未来の設定とはちょっと違うんですね。「救われない未来」という概念は認めたくなくて、ほんの少しの可能性でもいいから救われる未来につなげるアクションを起こしたい。どんなことでも可能性はあるから、その可能性を消してほしくない。良くも悪くも何かにはつながると思う。今、なにもやる気がないというならば何もやらなくていいじゃない。アンダーな時に無理することはない。

今瀬私は自分もよく分からなくてやりたいことも分からなくて、頭で考えていてどうも違うな、とは感じていました。自分の失敗に面と向かって対峙できるようになって初めて自分に優しくなれたので、55歳くらいまでの人生は自分を責め続けてきた。今では心に響くような人生相談もできるようになりましたね。人の話を聞く、ということが自分のやりたいことだ、ということを確信しています。これもうるのさん達との出会いがなかったら気付かなかったことかもしれません。

若い人からの相談は「やりたいことが分からない」「今の仕事に向いていないんじゃないか」ということが多いのですが、今振り返ってみるとやりたいことというのは本当はなかなか見つからないものなのです。むしろ入口は何でもよくて、いったんそこに身を置いてみて見つめ直してみるのも必要。私自身も50年以上もかかったのです。20〜30代でやりたいことを決めつけないほうがいいと思いますよ。

うるのそれにやりたいことを見つけなくてはいけない、という強迫観念がどうも若い人にはありそうな気がするのですが、特になくてもいいんじゃないかと。それは自然に出てくるもので、今の立場にある程度満足ならば、無理やり上昇志向を作る必要はないんですよ。他人が押し付ける価値観に振り回されると良いことはないんですよ。やりたいことをたとえ遊びや趣味であってもやりきった時に何か見えるかもしれない。

今瀬川の流れに身を任せてみて、そして岸にあがってみる。まずは入ってみることが大事なんですよ。ときどき流れを確認しながら自分の生きたい方向性を決めればいい。いろんなことが起きるからまずはトライしてみること。

うるの今、ブームになっているエヴァンゲリオン等はなによりアニメやSFが好きだった連中が極めた先に生まれたものだったりする。今はくだらないという評価ですが、20年先にはどう化けるか分からないわけですよ。ファンとして限りなくマニアックに愛していることが生業になってしまう現象が起きている。第3者に認められなくてもいいんですよ、要するに。

今瀬自分の個性は何かを考えてそれをのばしたほうが、やりたいことに近づける気がしますね。

うるの例えば今はニートだとしても何十年もニートを続けて、極めて60歳で著書を出すことだって出来るんですよ。最近、93歳のおじいちゃんがずっと描き続けてきた絵日記が出版されましたが、あれも特別な内容なのではなくて、描き続けてきたことに価値がある訳です。

今瀬価値があるなしは自分がきめるのではなくて、時代の流れやタイミングもありますからね。それに世間の評判というものは我々にはあまり関係がないのかもしれません(笑)自分の気持ちの思うままに、やりたいからやる。自分の心に響くことをやることが大事なんです。

うるの過去を振り返って「もし成功していたら楽だったな」と思うけれど、それは食っちゃった餅と一緒で(笑)今日の俺とはなんの関係もない。「もしも〜だったら」の世界は並列に無限に存在するけれどもそれは過ぎてしまったことで、明日宝くじ6億円当たるかも、という妄想と同じことなんです。

今瀬私は成功していたら良かったとは思っていなくて、むしろ失敗して良かったですね。もともとアバウトで努力も嫌いな人間でしたから、あの事実がなかったら人間的にひどいことになっていた。(倒産があって)今、やっと学校を卒業して更生したような、そんな気分です。あの経験がなかったら、このうるのさん達との出会いがなかったらとんでもないことになってましたね。

うるの僕も努力のための努力は嫌いですねぇ。そもそもマンガなんて遊びですから!すごいですね、と言われるけれどもマンガ(遊び)のために努力しているのです。自分が楽な状態をキープするために、デザインやマンガ、企画(妄想)・・・自分の好きな世界を頑張って続けているだけですから。

ビデオダイジェスト

うるの 拓也 プロフィール

うるのクリエイティブ事務所代表。漫画家・広告プロデューサー。
85年、漫画家として少年ジャンプにてデビュー。連載経験を経て87年より都内広告代理店にて広告デザイナーに転向。91年おより再独立。いち早くDTPデジタル制作に着手する一方、キャリアを生かしたマンガ広告を多数手がける。

95年より拠点を出身地である茨城に移し、同時にホームページ制作に着手。現在は、公共、大手、中小、個人などの数多くのホームページを担当する他、マンガ広告の執筆、若手漫画家の育成、地域でのボランティア活動等、様々な分野で精力的な活動を続けている。

うるのクリエイティブ事務所
http://www.urutaku.com


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